JR西日本京都に「鉄道博物館」開業へ
◇水族館、すし市場に続く
博物館は3階建てで床面積が1万8000平方メートル。蒸気機関車館にあるSL19両に新幹線や電気機関車などを加え、総数約50両を展示する。蒸気機関車館とあわせると、日本最大級の鉄道専門の博物館になる。
この日、京都市内で記者会見した、JR西日本の蔵原潮・京都支社長は「幅広い年代に親しまれ、京都を訪れた人たちの行き先として、新たな選択肢の一つになればうれしい。日本の経済とともに発展した鉄道の歴史を伝えて鉄道ファンを増やし、京都市や京都水族館と協力し合い、梅小路をより魅力的な場所にできれば」と意気込みを述べた。
梅小路公園を擁する下京区西部エリアはJR京都駅の徒歩圏内で、商店街や大学、有名寺院など人が集める施設が多く集まる。京都市は、民公協働での地域づくりの中核と位置づけ、再整備に力を注いできた。
その中心が、今年3月に同公園でオープンした京都水族館だ。目標だった1年間の来場者数200万人は、早くも11月5日に到達、勢いは今も続く。8月には府寿司(すし)生活衛生同業組合が運営する「すし市場」がオープンしたほか、京の食文化の魅力を伝える「京の食文化ミュージアム・あじわい館」の本格開業を来年4月に控えている。
再整備計画の俎上(そじょう)に上った主要施設の中で具体化していなかったのが、鉄道博物館の誘致だった。JR側から2009年2月に開館構想を伝えられた市側は水族館と並ぶ「柱」と位置づけ、門川大作・京都市長も今年2月の市長選で誘致を公約に掲げたが、具体的な計画はなかなか示されなかった。
門川市長は、この日、読売新聞の取材に答え「待ちわびた知らせだ。JR西日本の英断に感謝する。既設の施設などとしっかり連携し、活力ある京都づくりにつなげたい」と意気込んだ。
市政策企画室の担当者は、「各施設が相乗効果を発揮できるよう知恵を絞りたい」とする一方、同エリアに古くからの住民が多いことを意識して「住民目線を忘れないことも計画の重要な柱になる」と話した。
(2012年12月20日 読売新聞)