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ヒトES細胞から網膜 世界初、神戸理研

 さまざまな細胞になる能力があるヒトの胚性幹(はいせいかん)細胞(ES細胞)から、光を感知する目の網膜組織を作ることに、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)と住友化学(東京)などの研究グループが世界で初めて成功した。失明の恐れがある「網膜色素変性症」などの原因解明や治療への応用が期待される。

 14日付の米科学誌「セル・ステム・セル」に発表している。網膜はいったん傷つくと再生せず、治療法が確立されていない。網膜を構成する視細胞が傷ついて視野が狭くなる網膜色素変性症の患者は、国内に3万人以上。これまでヒトのES細胞から視細胞は作られていたが、網膜組織は立体的な構造で複雑なため作製できなかった。

 研究グループは、昨年、マウスで成功した技術を発展させ、ヒトのES細胞に組織化を促すタンパク質を加えて培養。26日後に目のもとになる「眼杯(がんぱい)」という組織を作ることに成功した。さらに126日後には、視細胞や、光の情報処理に関わる「介在神経細胞」などが層状になり、ヒトの胎児の網膜と同じサイズの直径約5ミリの網膜組織ができた。必要な細胞以外は含まれず、マウスに移植しても腫瘍ができないなど安全性も確認した。

 また、網膜組織を液体窒素で急速凍結する方法や、視細胞を速く効率的に作る薬剤投与の技術も確立。今後は同じく「万能細胞」と呼ばれる人工多能性幹細胞(iPS細胞)からの網膜組織作製も検討する。

 同センターの笹井芳樹グループディレクターは「今後5年以内にサルなどの動物で有効性を確認した上で、ヒトへの臨床応用を進めたい」と話す。

                by神戸新聞(2012/06/14 06:00)
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by mimiyori-hansinn | 2012-06-21 06:00 | サイエンス/読書
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