高校総体 サッカー女子は兵庫・日ノ本が初代女王
終了のホイッスルが鳴ると、ピッチ上の選手が、ベンチが、応援する部員たちが、全員が歓喜を爆発させた。サッカー女子決勝。U‐20(20歳以下)日本代表FWの道上を擁する常盤木学園相手に、連動してつなぐサッカーを披露した日ノ本が“初代女王”の座を勝ち取った。
上嶋監督が「びびらずにボールを動かしてくれた」と評した通り、攻守ともに思い切りの良さが光った。厳しく来ない相手の3バックに対し、1トップの川原主将と両サイドMFは、1対1を仕掛けてダメならパスと揺さぶった。同24分、「ゴール前はシュートしか考えていなかった」と言う川原主将がDF2人をかわした決勝ゴールは必然の流れだった。
一方、守備では道上らにスペースを与えないため、思い切ってラインを上げた。背後を取られる恐怖は「前線がしっかりボールを収めてくれたし、ボランチと声を掛け合えた」とCB羽座。勇気ある決断は奏功し、相手にほとんど決定機をつくらせなかった。
関西地区予選後は頂点を目指す気持ちを確認し合い、一致団結した。今大会準決勝後は、選手たちが常盤木学園をビデオで分析し「不思議と負けない気がした」(窪田)と自信を共有した。選手同士が話し、判断する日ノ本の色が、くっきりと歴史を染めた。
by神戸新聞(2012/08/04 23:56)