人気ブログランキング | 話題のタグを見る

高まる危険、古いPCは買い替えを XPサポートあと1年

 日本マイクロソフトは4月9日、2014年4月にサポート期間が終了する同社のOS「ウィンドウズXP」やオフィススイートの「オフィス2003」を利用しているユーザー向けに、最新OS/オフィススイートへの移行を促すさまざまな活動を行うと発表した。この「サポート期間」とはなにか。そしてサポート期間が終了するとどうなるのか。今回はパソコンを使う上で重要になる基礎知識を整理した。

■XPの人気の秘密は利用期間の長さと安定性 XPは、一般ユーザー向けのOSとして01年11月に発売された。次の「ウィンドウズビスタ」が発売された07年1月まで、実に5年以上もの間「最新OS」として市場に君臨したわけだ。XPの前の一般ユーザー向けOS「ウィンドウズMe」は発売が00年9月なので利用期間は1年ちょっと、そしてビスタの次の「ウィンドウズ7」が発売されたのが09年10月なのでビスタは3年弱。

 ビスタの開発が大幅に遅れたという事情もあるが、結果として異様に長い間第一線で利用されてきたことになる。そして長く使われていればいるほど、特に企業内の業務ソフトではそのバージョンへの依存性が高くなる。新しいOSやオフィススイート上で問題なく動作するかどうかが分からない以上、アップデートには及び腰にならざるを得ない。

 またXPから「カーネル」というOSの中心部分が、企業向けのOSで利用されてきたものに切り替わった。その結果として、Meまでよりも格段に安定性が高まった。Meまでは一つのソフトウエアでトラブルが起きるとOSごと巻き込んで強制終了することもめずらしくなかったが、XP以降はそうしたトラブルは激減した。

 こうした背景もあり、ビスタ、7、8と実に3世代の新OSが登場してもXPでパソコンを利用しているユーザーがかなり多く残っているというわけだ。オフィススイートに関しても、03年10月に登場したオフィス2003は、よく使う機能をツールバーのようにまとめた「リボンインタフェース」を導入しない最後の世代。リボンインタフェースに馴染めないユーザーに評価が高く、XPと一緒に使い続けているというユーザーが多いのだ。

■OSに2種類のサポート期間を設定するマイクロソフト マイクロソフトはOSに、「メインストリームサポート」と「延長サポート」という2種類のサポート期間を設定している。前者のメインストリームサポート期間中は、最新OSとして利用できるようにセキュリティーパッチのほか、「サービスパック」と呼ばれる新機能の提供も必要に応じて行われる。後者の延長サポートは、次世代OSに移行するために設けられた「猶予期間」。基本的にはセキュリティーパッチの提供のみが行われる。

 XPやオフィス2003を使い続ける場合に問題となってくるのが、この延長サポートの期間も14年4月に切れてしまうということだ。あと1年でXPやオフィス2003に対応するセキュリティーパッチの提供も終了する。これにより、ますます高度化し巧妙さが増すネットワーク犯罪に対し、ほぼ無力な状態で放置されることになる。

 シマンテックの「ノートン」シリーズやトレンドマイクロの「ウイルスバスター」など、セキュリティソフトをインストールしていれば大丈夫、と考えている人もいるかもしれない。よく知られた古いタイプのマルウエアなら、こうした市販のセキュリティソフトでも対処することはおおむね可能だ。しかし、最新のマルウエアはOSのシステム的な欠陥を衝いて侵入することが多い。セキュリティソフトだけでは対処しきれないのだ。

 またXP自体の設計が最新OSに比べると古いこともあり、ビスタや7、8で採用されている新しいカーネルに比べると、こうしたマルウエアによる攻撃に対する防御力が低い。もともとビスタ以降で採用した新カーネル自体、増大するネットワーク犯罪への対抗を考えて作り直されたものであり、「基礎体力」が違うと考えてよい。

 そして万が一マルウエアに感染すれば、自分のPCに保存したデータが危険にさらされる。また最近では、リモート操作で不正な作業に荷担させられるタイプのマルウエアも増えた。自分ではまったく身に覚えのない攻撃を、自分がしたことにさせられてしまうこともあるのだ。非常に危険な状況なのは言うまでもない。
■OSのアップグレード以外の対処方法はない 対処方法としてはマイクロソフトのいうとおり、サポート期間が長い最新OSやオフィススイートにアップグレードするしかない。いまXPをインストールして使っているPCを8にアップグレードしたいなら、直販価格1万4490円の「Windows 8アップグレード版」を購入する。また7や8は、快適に動作するスペックの水準が比較的低い。インテルの「Core 2 Duo」や「Core 2 Quad」シリーズを搭載している5年前くらいまでのパソコンなら、8をインストールしてもそれほど動作は重くならない。

 それ以前のPCの場合、OSをアップグレードするだけでは非常に厳しい。PC自体の買い換えを考えるべきだろう。ただ、最近はノートパソコンでも4万~5万円で普通に購入できるようになった。またそうしたローエンドパソコンでも、8は快適に動作する。OSをアップグレードするのが不安、あるいは面倒なら、これを期に買い換えてしまった方が楽だろう。
 オフィススイートはOSに比べると高価なので気軽にはアップグレードできないのが悩みどころ。しかし最近は低価格、あるいは無料で利用できる「互換オフィススイート」がいくつか登場している。

 オフィス2003のマクロ機能やプログラム機能をフルに活用している場合には、そうした互換オフィスで代用するのは不可能。しかし多くの人は、表組みやグラフ作成、提出用の書類作成で使っているはずだ。そのくらいの用途であれば、互換オフィスでも十分に対応できる。いくつかの互換オフィスでは体験版も用意しているので、購入前に自分の用途で充分かどうかを検証することも可能だ。

 ちなみにビスタや7にも、こうしたサポート期間が終了するときが来る。XPの2014年ほど差し迫ってはいないが、ビスタでも2017年4月には延長サポートが終了し、XPと同様にセキュリティーパッチの提供が行われなくなる。XPよりはカーネルの安全性は高いが、それでもOSの欠陥に対する対処が行われなくなる以上、危険な状況に陥るのは間違いない。ビスタユーザーも、そろそろ本気でOSの移行を考えなければならない時期に来ている。

by mimiyori-hansinn | 2013-05-29 15:27 | パソコン・IT
line

  中之島ばら公園     阪神のホットスポット・トレンド・話題 何でも知りたい・伝えたい・行きたい・行動したい・学びたい欲張りサイト


by mimiyori-hansinn
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31