「あべのハルカス近鉄本店タワー館」大解剖!

 あべのハルカス近鉄本店が目指すのは“暮らしのランドマーク”としての店づくり。「買い物目的がなくても立ち寄ってもらえることが最大の特徴。顧客の足を止める陳列や売り方、五感に訴える仕掛けを随所に取り入れて日本一滞在時間の長い百貨店を目指す」(近鉄百貨店・中田氏)。

 そのために、従来に比べてターゲット層や商品分野を広げ、時間消費を促す場や機会を充実。売り場全体の面積の40%を専門店で構成し、モノを売らない非物販スペースも4分の1を占める。

 ストアデザインでは、“街場をつくる”を環境コンセプトに、各階に「コト」「カフェ」「ランドマーク」「界隈性」「パブリックスペース」「コミュニティ」の6つの要素を配置。街を歩いている感覚になるようなフロアを目指した。

 空間デザインを監修したインフィクス代表の間宮吉彦氏は「街が本来持っている楽しさを百貨店の中にどう取り入れるか。多様なものを詰め込み、変化することでにぎわいを生む『街』のような場を実現できないかを一番に考えた」と話す。

 例えば、タワー館とウイング館をつなぐ吹き抜け空間や屋外には、待ち合わせや憩いの場として4つの広場を設置。2階の「ウエルカムガレリア」は大画面のモニターを設けて情報発信拠点とするほか、阿倍野歩道橋からHOOP(ファッションビル)までを結ぶ街路にもなっている。

 エスカレーター横にはフロアごとのテーマに合わせたレストスペースを全700席設置したほか、カフェも21店舗1000席を用意。さらに、森の広場やベビーサロンなどに自然音を再現するハイレゾリューション音源を流したり、フロアごとに異なるアロマの香りを取り入れたりなど、五感に響く仕掛けで快適性を高めている。

 コミュニティ活動としては、百貨店初の試みとなる市民活動団体プロジェクト「縁活」をスタート。売り場発のイベント「コトラボ」も含め、全館8カ所(タワー館には3カ所)にコミュニティの拠点となる街スペースを設けた。
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新業態、百貨店初、関西初がそろう日本最大規模のレストラン街
 タワー館は地下1・2階「食料品」、1階「特選ブティックとアクセサリー」、2階「化粧品と洋品雑貨」、3~5階「婦人服と洋品雑貨、6・7階「紳士服と洋品雑貨」、8階「ベビー子供服」、9・10階「インテリア・家庭用品」、11階「宝飾品・呉服・美術工芸品」、12~14階「レストラン街」で構成。地下2階から9階のほとんどのフロアがウイング館とつながり、商品分野も連動している。ウイング館は5階以上(一部を除く)が2013年秋オープン。ヤングレディース専門店街「あべのパッセ(仮称)」などが入る地下2階から4階は2014年春オープンの予定だ。

 タワー館で注目される売り場は、まず12~14階の「あべのハルカスダイニング」。現状の約3倍となる約1万1000平米の広さに44店舗2800席が入り、日本最大級のレストラン街が誕生する。ガールズサーファーをテーマにしたカフェダイニング「サーフサイドキッチン」、子供を主役に家族で楽しめるエデュテインメント型レストラン「モクモク直営農場レストラン お日さまのえがお」など新業態や関西初、百貨店初が約半数を占める。また「大坂通」として、ひとり鍋しゃぶしゃぶの元祖「千里 しゃぶちん」や、創業60年のハンバーグレストラン「昭和町ボストン」など大阪人が食べたい大阪の味も7店舗集積した。

 関西では昔から人気の高かった食料品売り場もさらにパワーアップ。ウイング館と合わせて3フロア約9000平米の広さは関西最大級を誇る。人気のスイーツショップや日本初のカフェ併設洋菓子店などが出店。各ショップで購入したスイーツを持ち込んで食べられるユニークなカフェもお目見えする。地域密着型百貨店として生鮮食品売り場も充実させた。

 ほかには、日本初のスタジオ併設キッチン用品売り場(9階)と百貨店初出店のインテリア専門店が集積するフロア「近鉄リビング」も見逃せない
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専門店が加わるものの、やや新鮮味に欠けるファッションフロア
 ファッションフロアでは百貨店初出店のセレクトショップを中心に高感度レディスブランドを集積した「トレンドコート」(3階)が新しい。百貨店ブランドだけでなく、ファッションビルや駅ビルなどに出店する人気セレクトショップを誘致。これまで同店が取り込めていなかった若いOL層など新しい顧客の開拓を狙う。

 レディースファッションに関連するフロアは1~5階までを占め、2014年春オープンするヤング向け専門店街「あべのパッセ(仮称)」を含めると4万平米のファッションゾーンが完成する。ただ、タワー館を見る限り、専門店を導入する手法や展開ブランドはやや新鮮味に欠ける。ブランドの顔ぶれよりもむしろ各ブランドの世界観やゆったりした空間、丁寧な接客を重視した売り場といえるだろう。4階では有資格販売員がブランドを超えてトータルコーディネートをアドバイスする「ファッションアテンダントサービス」や「ランジェリーコンシェルジュ」を実施。百貨店が本来強みとすべき接客販売でどこまで顧客を取り込めるかが注目される。

 8階のベビー子供服売り場では年齢で分ける従来の売り場づくりと異なり、子供の生活シーンに基づいて売り場を編集している。中央にはジューススタンドや遊び場もある、玩具とカジュアルウェアの売り場を配置。周囲には百貨店初登場の「ジョン・ガリアーノ」など人気ブランドや自主編集売り場のほか、子育て支援サービスが充実したベビーケアゾーンと体験型の学びの場「まなぼスタジオ」を設けた。モノに絡めたコトの体験や体感を通して、購買につなげる考えだ。

 6~7階で展開するメンズフロア「近鉄メンズ」でもコトの提案を強化。男性1人で来ても楽しめる情報発信スペースや美容サロンも展開している。

 タワー館の売り場面積は5万7000平米で、完成したのはまだ総売り場面積の6割に満たない。正直言って日本最大規模のインパクトは感じられず、新宿伊勢丹や梅田阪急のような派手さはなく、メッセージ性も弱い。しかし、ゆったりした通路や空間、随所に設けた非物販スペースなど従来の百貨店業態から脱皮しようとする意気込みは伝わってきた。

 あべのハルカスで脚光を浴びる近鉄百貨店だが、あくまで南大阪の地元客や沿線客が顧客の中心。デイリーに使えるターミナル百貨店としての役割を見直し、改めて強化した点に期待したい。
                   byトレンディー
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by mimiyori-hansinn | 2013-06-13 09:33 | お出かけ情報
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