安さ真骨頂、革命へ秒読み 人工知能搭載「イプシロン」27日打ち上げ

e0241325_9302694.jpg 27日に打ち上げが予定されている宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型ロケット「イプシロン」1号機が20日、そのベールを初めて脱いだ。鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で、打ち上げリハーサルが行われ、報道陣に公開された。日本の新型ロケットは、2001年の「H2A」以来、12年ぶり。人工知能を備え、打ち上げ前の点検を自ら自動で行うほか、管制の人員も大幅に削減。開発費も既存技術の応用などで削り込み、徹底した低コスト化を図った。“安上がり”で機動的な打ち上げを実現し、世界的に受注競争が激化する衛星打ち上げビジネスでの勝ち残りを目指す。(SANKEI EXPRESS)


自動点検、数人で管制
 ロケット発射場から約3キロ離れた展望台から報道陣が見守る中、高さ47メートルの整備塔の扉が開くと、真っ白な機体に赤く「EPSILON」の文字が描かれた1号機が姿を現した。発射台に載せられた状態で、約15分かけてゆっくりと発射位置まで移動した。

 「ロケットの世界に革命を起こす」。開発チームを率いるJAXAの森田泰弘教授(55)は、こう意気込む。

 イプシロンは全長24.4メートル、重さ91トンの3段式小型ロケット。06年に引退したM5ロケットの後継機で、日本が独自に開発して発展させた固体燃料ロケットとしては7年ぶりの復活となる。1号機は惑星観測衛星「スプリントA」を搭載する。
 一番の自慢が、「人工知能」だ。これまで制御や通信など多様な機器ごとに人手をかけて行っていた打ち上げ前の点検を、全自動で自ら行い、「準備完了」を知らせてくれる。作業員を減らせるうえ、発射場での組み立て期間も従来の6分の1の約1週間に短縮できた。

 さらに打ち上げ時には、これまで管制室で100人近い職員がモニターを見詰めていたが、イプシロンは、ノートパソコンを使って、数人で発射管制が行える。


既存技術を応用
 開発費も既存技術の応用で徹底的に削った。1段目のロケットにはH2Aの固体補助ロケットを転用。2、3段目にはM5の3、4段目の性能を向上させて利用した。“火薬”である固体燃料を詰める圧力容器は素材を変更し製造工程を簡素化。約50本のボルトで取り付けていた先端の衛星カバーも一体成形によって、部品点数と作業工程を減らした。

 開発費は新型では格安の205億円。1号機の打ち上げ費用は53億円だが、将来はM5の半分以下の30億円を目指す。

 「プラモデルのように簡単に作れるようにならなければ」と、森田教授はロケットの未来像をこう思い描く。

 低軌道に打ち上げる衛星の搭載能力は1.2トンと小さいが、従来は不可能だった機動的な打ち上げにより、世界的に需要増加が見込まれる小型衛星の受注獲得を目指す。

 「これまでの打ち上げは、お祭り騒ぎのような『アポロ方式』。今後は、少人数の設備で素早く打ち上げる『イプシロン方式』に転換していく」。森田教授は、イプシロンが新しい世界標準になると期待している。
byMSN
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by mimiyori-hansinn | 2013-08-21 09:32 | サイエンス/読書
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