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ジャイロ式波力発電 神戸大学

 神戸大学名誉教授の神吉(かんき)博(67)は、自然を活用して半永久的にエネルギーを生み続ける夢の技術に取り組んでいる。海に浮かべた発電装置の中で横回転する円盤が波の上下動で傾くと、元に戻る強い力がかかる。この力を電気に変えるのが「ジャイロ式波力発電装置」。世界のエネルギー関係者が注目する。

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■実用化へ自信
 神吉は三菱重工業で25年にわたり発電用タービンなど回転装置を開発してきた。宇宙ステーションの制御装置開発で「ジャイロ効果」に出合う。1995年に母校である神戸大工学部教授に転じた。

 回るコマが倒れないように、回転する物体は回転軸を保とうとする。これがジャイロ効果で、神吉は「不思議な魅力を感じ」研究を始めた。船舶向けの姿勢制御装置を開発し、原理は東京スカイツリー建設時に資材をつり上げる運搬リフトの揺れ抑制に使われた。

 発電に生かそうと思いついたのは神戸大に移った後の2000年ごろ。環境機器メーカーのアルファ技研を経営する古沢達雄(64)と共同で試作機を作った。神戸港に浮かべてみると、確かに発電するのが分かった。

 04年から波が強い鳥取県沖合で実験を始め、実用化への自信を深める。国内外で特許も取得。神戸大を定年退官するのに先立ち、08年に古沢とジャイロダイナミクスを設立した。

 社長の古沢が経営、副社長の神吉が研究開発を担当し、二人三脚で事業化を目指している。11年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に選ばれ、実証実験を始めた。だがNEDOは今春、台風などで漂流する危険があり安全確保が難しい、と実験打ち切りを決めた。

■海外から注目 
 それでも神吉はあきらめていない。1台当たりの発電能力は100キロワットに達し、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用すれば採算が合う可能性も出てきた。離島ではディーゼル発電の補助電源として十分活用できる。今年8月にはフランス電力公社から視察が来るなど、注目度は高まっている。

 「自然エネルギーを電気に変えるのは革新的な技術。環境にも優しく、尽きることはない。世界を救う」。神吉は一歩一歩前に進もうと考える。


 大学と企業の距離が近い関西。ベンチャー支援に加え、教授自ら起業する例も相次ぐ。産学連携は関西経済のけん引役になりそうだ。
                     by日経

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by mimiyori-hansinn | 2013-11-18 20:12 | サイエンス/読書
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