人気ブログランキング |

カテゴリ:サイエンス/読書( 72 )


銀二貫 高田郁

e0241325_11243165.jpg 
幻冬舎630円
 大坂の寒天問屋である井川屋の主・和助は、焼け落ちた天満天神宮に寄進するため、銀2貫を懐に歩いていた。ふと、仇討ちを目の前で見かけ、討たれた侍の子供が不憫で、懐にあった銀2貫で、仇討ちを買うことを申し出る。子供を連れて家に帰ると、信心深い番頭の善次郎に渋い顔をされるが、和助は一からまた貯めようと諭し、その残された子供・松吉を丁稚とすることに。

井川屋は手堅く商売を続けたが、仕入先の火事見舞いや、仕入先のトラブルに使ってしまい、なかなか銀2貫貯まらなかったが、和助は辛抱強く貯め続ける。
一方大人になった松吉は、以前可愛がってもらっていた得意先の料亭から聞いた、寒天の改良希望の話が忘れられず、どうにかできないものか試行錯誤を繰り返す。
そして、ついに叶う日がやって来る。

 我慢に我慢を重ね、地道に努力していく人々のお話です。読んでいるこちらにも伝わってきました。

この本を大阪の友人に紹介したメール
 先日「銀2貫」高田郁を読みました。江戸時代大阪天満宮の近くで寒天を扱う店の小説ですが
先日街中で巡った浪速八軒屋周辺の当時の描写が手に取るように判るだけでなく当時の風習も知る事
が出来、現代の大阪と対比して興味を惹きたててくれました。人と人の心の繋がり、精一杯ひたむきに
生きる主人公の姿に感動し一気呵成に読破しました。もしまだお読みでなければ是非お勧めします。

その友人からの読書感想
人情噺し・・・いいですね~
「ストーリーのなかに誰も悪人がいない・・・」
あり得ないことですが、フィクションだから許される。

毒々しい「大和田常務」もいるのでしょうが・・・
歳をとると「甘い噺し」がいいですね・・・
読むと「ホッとする」自分がいます。

寒天問屋の井川屋さんの位置は・・・
・天神橋より天満橋が近い・・・
・昔の天満青物市場は大川端・・・
・勿論天満宮にも近くて「天満焼け」で被災しているから
 大川からそんなに離れていない・・・

以上から「天満組惣会所跡」辺り。
近くには川端康成生家もあるところ・・・

新・大阪町中散策 第8回のコースは
「銀2貫」物語りの和助や、松吉の通った道・・・

そんな思いを膨らませて読ませて頂きました。
ありがとうございます。
                   by管理人

by mimiyori-hansinn | 2013-11-26 11:24 | サイエンス/読書

ジャイロ式波力発電 神戸大学

 神戸大学名誉教授の神吉(かんき)博(67)は、自然を活用して半永久的にエネルギーを生み続ける夢の技術に取り組んでいる。海に浮かべた発電装置の中で横回転する円盤が波の上下動で傾くと、元に戻る強い力がかかる。この力を電気に変えるのが「ジャイロ式波力発電装置」。世界のエネルギー関係者が注目する。

e0241325_20114141.jpg
■実用化へ自信
 神吉は三菱重工業で25年にわたり発電用タービンなど回転装置を開発してきた。宇宙ステーションの制御装置開発で「ジャイロ効果」に出合う。1995年に母校である神戸大工学部教授に転じた。

 回るコマが倒れないように、回転する物体は回転軸を保とうとする。これがジャイロ効果で、神吉は「不思議な魅力を感じ」研究を始めた。船舶向けの姿勢制御装置を開発し、原理は東京スカイツリー建設時に資材をつり上げる運搬リフトの揺れ抑制に使われた。

 発電に生かそうと思いついたのは神戸大に移った後の2000年ごろ。環境機器メーカーのアルファ技研を経営する古沢達雄(64)と共同で試作機を作った。神戸港に浮かべてみると、確かに発電するのが分かった。

 04年から波が強い鳥取県沖合で実験を始め、実用化への自信を深める。国内外で特許も取得。神戸大を定年退官するのに先立ち、08年に古沢とジャイロダイナミクスを設立した。

 社長の古沢が経営、副社長の神吉が研究開発を担当し、二人三脚で事業化を目指している。11年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に選ばれ、実証実験を始めた。だがNEDOは今春、台風などで漂流する危険があり安全確保が難しい、と実験打ち切りを決めた。

■海外から注目 
 それでも神吉はあきらめていない。1台当たりの発電能力は100キロワットに達し、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用すれば採算が合う可能性も出てきた。離島ではディーゼル発電の補助電源として十分活用できる。今年8月にはフランス電力公社から視察が来るなど、注目度は高まっている。

 「自然エネルギーを電気に変えるのは革新的な技術。環境にも優しく、尽きることはない。世界を救う」。神吉は一歩一歩前に進もうと考える。


 大学と企業の距離が近い関西。ベンチャー支援に加え、教授自ら起業する例も相次ぐ。産学連携は関西経済のけん引役になりそうだ。
                     by日経

 研究の詳細はここをクリックしてください



by mimiyori-hansinn | 2013-11-18 20:12 | サイエンス/読書

メタンハイドレート実用化の問題点 NO2

 世界のメタンハイドレートは、陸域で数十兆立方メートル、海域で数千兆立方メートル存在すると言われ、これは世界天然ガス確認埋蔵量(145兆立方メートル)の10倍に匹敵し、天然ガス、原油、石炭の総埋蔵量の2倍以上に匹敵すると言われている。さらに、日本周辺でいうと、地質調査所の調査では、南海トラフ、北海道周辺海域に、6兆立方メートルが存在すると言われている。これは、日本の天然ガス使用量の100年分に匹敵する量であり、日本近海は、世界最大のメタンハイドレート量を誇っているといえる。 日本は海洋国家であり、海中に存在するメタンハイドレートの実用化は、日本のエネルギー自給率の大幅な向上やエネルギー外交の切り札としての可能性など多くのメリットをもたらすと考えられる。
 一方、実用化によるデメリットとして現在あげられているのは、探索・採掘にかけるコストに対する採算性という意味でのコストパフォーマンスの悪さの問題や、採取時の事故発生によってメタンガスが空気中に拡散した場合に地球環境を深刻に温暖化させる危険性があるといった問題などがある。
 デメリットであげられている問題については、探索、採掘、運搬、利用の各フェーズにおいて、実用化に向けた試験の繰り返しによる技術革新によって効率化・安全化が進めば解決できる問題が多く、現状燃料資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている日本にとって、日本近海に十分なエネルギー源があるというメリットは、「メタンハイドレート革命」を起こすだけの十分なポテンシャルを秘めているといっても過言ではないと考えられる。

 さて、ここまではメタンハイドレートとはどういうものかということに対する概要について整理した。では、実際にメタンハイドレートの実用化に向けて、現在日本における取り組みではどのような段階なのか。
 2000年に経済産業省にメタンハイドレート開発検討委員会が設置され、国をあげての本格的な研究がスタートした。日本のメタンハイドレート開発計画は以下のようにフェーズⅠ~Ⅲに分けて考えられている。

□ フェーズⅠ(2001~2008年度):調査技術、分解生産技術などの基礎研究
□ フェーズⅡ(2009~2015年度):海洋産出試験の準備と実施
□ フェーズⅢ(2016~2018年度):商業的生産に向けた技術基盤整備

 現在はフェーズⅡにあたり、最近の報告では、2013年3月12日に愛知県沖で世界初の洋上試験採取に成功している。しかし、実際に洋上採取に成功しているものの、まだまだ政府がリスクを取って投資を行い政府主導で開発を進めている段階であり、商業化する段階には至っていない。
 商業化に至らない理由としては、上でデメリットとしてあげた問題が主に考えられているが、それらを解決する上では、回収効率などのコストパフォーマンスの改善や安定採取・安定供給できる確証が得られることが必要になってくると考えられる。

 ところで、冒頭で「シェールガス革命」ならぬ「メタンハイドレート革命」が起こせるか、という視点での考察を試みると述べたが、そのために一度「シェールガス革命」が起きた理由を整理してみたい。
 私見では、アメリカが「シェールガス革命」を起こすことができたポイントとして以下の2点があげられるのではないかと考えた。

① ビジョンと熱意を持った中小採掘業者の継続的取り組みとそれを支えた公的機関の存在があったこと
② ①による技術革新によって、低コストでの安価なエネルギー安定供給が実現できたこと

 ①については、当時すべての石油メジャーが米国に見切りをつけ海外に活路を求めたあとで、少数の中小採掘業者たちがもっぱらシェールガスを商品化するまで継続的に取り組みを進めた。中でも、「シェールガス革命の父」と呼ばれるジョージ・ミッチェル氏が70歳で水圧破砕法を応用したフラッキングという技術をブレークスルーしたことが大きな成功要因と言われている。ただ、ここで忘れてはいけないのは、そのような民間企業を公的機関がバックアップしていたと言うことである。事実、ミッチェル氏の会社も様々な公的機関の支えに頼ってきた。例えば、シェールガスの埋蔵資源地図を作製し(これにより、資源量が豊富であることがはっきりしていた)、ダイヤモンドドリルビットなどの技術開発に助成金を出したのは公的機関である。
 ②については、①の取り組みによる技術革新によって低コストによるエネルギー安定供給が実現し、天然ガスの価格を大幅に低下させることができたことで、アメリカ国内のエネルギー事情を大きく変え、「革命」と呼ばれるに至った大きな要因であると考えられる。

 つまり、公的機関の支えによって、実現に向けて熱意を持った民間企業が継続的に取り組み技術革新を起こしたことで、エネルギーの安定供給と低コスト化を実現し、「シェールガス革命」は起きたのである。

日本における「メタンハイドレート革命」の実現可能性についてはどうであろうか。
 まず、①について、現在は清水建設がメタンガス回収実験をロシアで行っていたり、三井海洋開発がメタンハイドレートを海洋上で資源化するプラントの開発に着手していたり、三井造船が海底下に埋蔵するメタンハイドレートを探査し、賦存状態を把握する技術・システムを開発していたり、三菱マテリアルがメタンハイドレートの基礎試錘・実証実験を行っていたりと大手民間企業が実用化に向けて様々な取り組みを行っている。しかしながら、どれも試験段階であり、回収効率の改善、安全採取・安定供給の実現のためには、今後も政府が民間企業をバックアップして連携し、より積極的に技術革新を進めていく必要があると考えられる。
 また、前段の「シェールガス革命」のケースと比較すると、現在主に取り組みを行っている民間企業は名の通った大企業である。「シェールガス革命」のときは、中小企業であり、ミッチェル氏のようなビジョンと熱意を持ったオーナーがあきらめずに取り組んだことが成功の大きな要因であった。大企業の担当者がメタンハイドレート実用化に向けたプロジェクトに対して、当時のミッチェル氏と同様の熱意を果たしてもっているだろうか。過去を振り返ってみると、アップルのスティーブ・ジョブズ氏にしてもソニーの盛田昭夫氏にしても、偉業を成し遂げたとされる人は、その偉業を成し遂げた先の未来を明確に描いたビジョンを持ち、それに対して自信と熱意をもってあきらめずにやり遂げる力を持った人であった。「メタンハイドレート革命」を実現するためにも、メタンハイドレート安定供給の実現が切り開く未来像を明確にビジョンとして持ち、それに対してあきらめずに熱意を持って取り組む人間の存在が必要であると考えられる。大企業であっても、民間企業としてそのビジョンと熱意を持って取り組めるか、もしくはビジョンと熱意を持ったオーナーをもつ中小民間企業が今後参入してくることができるか、が別の課題としてあげられる。

 ②については、実際に採掘されるメタンハイドレートによる天然ガスの供給は安価なものであるのかという疑問がある。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の経済性評価によると、一定の仮定の下で生産が実現した場合、生産原価は46円/m3になると試算され、2021年から15年間の想定平均ガス価である56円/m3と比較すると、生産原価の方が安くなるという評価をしている。この評価は、あくまでも「仮定」のもとでの経済性評価であり、技術革新によるガス生産レートの増加や回収効率の向上などによって、より確度を高めることになるし、その逆もまた然りである。

 以上2点を踏まえると、現在はまだまだ試験段階で、「メタンハイドレート革命」の可能性を確信できるレベルには至っていないものの、政府と民間企業が継続的に実用化に向けた取り組みをすることによって技術革新を起こすことができ、メタンハイドレートを安全かつ効率的に採取・利用できることで安価で安定したエネルギー供給が実現できれば、「メタンハイドレート革命」を起こすことができると十分考えられるのではないだろうか。 実現に向けた課題として整理すると、政府と民間企業の連携による技術革新が必要であるという前提を踏まえ、政府側は他国との領海権に関する外交や資金援助などを通して民間企業が取り組みに参入しやすい環境の整備を行うことが必要であり、民間企業側は実現した先の未来像に対するビジョンを明確に持ち、それに向けてあきらめずに取り組む熱意と実行力を発揮していく必要があるのではないだろうか。
 「革命」が起きれば、日本のエネルギー自給率が大幅に向上し、自国内の製造業の活性化や「脱原発」運動の推進、エネルギー外交における日本の立ち位置の変化につながっていくことが想像でき、国内外で大きな影響を与えるのは間違いないだろう。引き続き今後の動静に注目していきたいところである。
                    byコンサルティング コラム

by mimiyori-hansinn | 2013-10-10 05:21 | サイエンス/読書

「光の分子」作成に成功

ハーヴァード大学とMITのチームが、質量をもたない光子を相互作用させ、結合させて「分子」を形成することに成功した。量子コンピューティングへの応用が期待されるほか、将来的には光を使って3次元構造が作れるようになるかもしれない。
e0241325_2246251.jpg

ハーヴァード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学チームが、光子を結合させて「分子」を形成することに成功した。これまでは純粋に理論上のものだった、物質の状態だ。

「われわれが知る光の特性のほとんどは、光子が質量をもたず、相互作用しないことに由来する」と、ハーヴァード大学で物理学を研究するミハイル・ルーキン教授は述べる。「今回われわれは特殊な媒体を作りだし、その中で光子同士が強く相互作用し、それによって質量をもつかのように振る舞い、結合して分子を形成させられるようにした。このような光子の束縛状態(bound state)は、以前から理論上では議論されていたが、これまで実際に観測されたことはなかった」

研究チームは、真空室に、金属元素であるルビジウム原子を満たし、絶対零度近くまで冷却した(原子を、ほぼ静止状態にした)。そしてこの原子の雲に、ごく弱いレーザーを使って光子を照射した。原子の雲に入ると、光子はエネルギーを失い、劇的に減速した。

ふたつの光子を一度に照射すると、雲を通り抜けて出てくるときに、結合してひとつの分子を形成していた。これは光子が、雲の中で通り過ぎる原子と、エネルギーを交換することによって生じる。

「量子情報を運ぶ上で、光子は現在、考えられる限り最良の手段であるため、今回の成果は、より大きな枠組みでわれわれの研究に役立つものだ。これまでは、光子は相互作用をしないということが障壁になっていた」

光子の相互作用を可能にする今回のプロセスは、量子コンピューティングの開発や、従来のコンピューターの消費電力問題への応用等が期待される。将来的には、光から、結晶のような3次元構造をつくりだすことも可能になるかもしれない。

by mimiyori-hansinn | 2013-10-07 21:04 | サイエンス/読書

潜水艦救難艦「ちはや」

 5日のTVで世界最高技術を持つ自衛隊潜水艦救難艦「ちはや」が紹介されていたので検索してみた。

 潜水艦救難艦「ちはや」は老朽化した「ふしみ」を更新する為に建造された。
本艦は昭和60年(1985年)に竣工した潜水艦救難母艦「ちよだ」の拡大改良型という性格で外観も似ているが母艦機能は 縮小されており医療支援能力(手術室、レントゲン室等)など災害派遣時の支援能力は強化されている。 深海救難艇DSRVの格納庫を兼用した艦橋構造物や揚降装置、後部に設定されたヘリ発着甲板は「ちよだ」の配置を継承している。 艦橋操舵室上には救難指揮所RICがあり救難作業を統括指揮する。煙突左舷側にある二つのダビットのうち前方は本艦ではじめて採用 された無人潜水装置ROV用。潜水艦乗員80名の収容能力を持ち潜水病対策として4基の再圧タンクを装備している。 本艦と「ちよだ」で海自では潜水艦救難艦(母艦)2隻体制が維持されている。
e0241325_95479.jpg

深海救難艇DSRV(Deep Submergence Rescue Vehicle )
e0241325_9545721.jpg
写真左)大型の艦橋構造物は深海救難艇DSRVの格納庫を兼ねている。DSRVは中央部の揚降装置で発進・収容される。
 深海救難艇DSRVは本艦の潜水艦救難機能の中核を成すもので川崎重工で建造された。 遭難潜水艦とドッキングし救難作業を行う。艇内は3つの耐圧室があり操船区画、救助区画、機関区画がある。搭乗員2名、救助人員は12名。
e0241325_9582242.jpg無人潜水装置ROV(Remotely Operated Vehicle)

by mimiyori-hansinn | 2013-10-06 09:57 | サイエンス/読書

氷河期繰り返す原因解明 10万年周期、氷で地盤が上下

e0241325_16235816.jpg 過去100万年の間、陸地を覆う氷(氷床)が拡大した寒冷な氷河期が約10万年の周期で繰り返しているのは、氷床の重さで下の地盤がゆっくりと上下するためだと、阿部彩子東京大准教授らの研究チームが、氷床分布を計算するモデルを使って突き止めた。

 10万年周期の原因は、地球の公転軌道の変化などに伴う日射量の変化と関係があるとされてきたが、それだけでは説明できず、長年の謎だった。地球温暖化の予測にも役立つ成果という。

 氷床が大きくなると、下の地盤は重みによって数千年遅れて沈み始める一方、融解した後には隆起する性質があり、上下動は約1000メートルにも達する。地盤が沈めば、氷床表面の高度が気温の温かい位置に下がって解けやすくなるなど、上下動は氷床の形成に影響を及ぼす。

 チームは、こうした効果や日照量の変化、二酸化炭素による温室効果を盛り込んだ計算モデルを作り、北半球の氷床の分布を過去40万年にわたって再現。氷床の重さに応じた地盤の上下が、10万年周期の大きな原因となっていることを突き止めた。

 二酸化炭素の濃度は周期を生む原因でないことも分かった。

by mimiyori-hansinn | 2013-10-05 21:45 | サイエンス/読書

1回30億円なり 新型ロケット「イプシロン」が開く宇宙ビジネス

 「イプシロン」。今月27日に宇宙へと飛び立つ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIが開発した小型ロケットだ。日本の伝統である「ペンシルロケット」の流れをくむ固体燃料ロケットとして7年ぶりの打ち上げ。コンパクトかつ手軽が持ち味のこの新型ロケットは、衛星の打ち上げ受注で躍進を目指す日本の宇宙ビジネスの切り札となる。
e0241325_1205268.jpg
 1回30億円なり。JAXAが提唱する新型ロケット、イプシロンの量産時の打ち上げ費用だ。固体ロケットの先代にあたる「M―5」は約75億円だったから、半額以下に圧縮したことになる。開発期間もロケットでは異例の短さといえる3年に抑えた。

 なぜロケットでコスト削減なのか。理由は簡単だ。M―5は打ち上げ能力1.8トンで、当時の世界最高水準を誇る日本の自信作だった。だが、小型ロケット市場では商業化が進展。需要がないM―5は2006年、退役に追い込まれた。

 これからの50年をイプシロンから始めよう――。10年、新型ロケットが開発の緒に就いた。ギリシャ文字のイプシロンには、小さくても存在感がある、とのニュアンスがある。高い機能性で作業を効率化した経済的なロケット。日本らしいロケットが生まれた。

 コスト削減、その1。開発費の抑制だ。M―5と比べ4割も少ない約205億円。圧縮手法は、部品と技術の共通化だ。例えば、固形燃料を大量に詰め込む第1段エンジンは、日本の主力ロケットである「H2A」の補助ブースターを転用している。

 H2Aの全長はイプシロン(24メートル)の2倍強の53メートル。H2Aは液体燃料を使って飛ぶが、固体燃料を入れたブースターを2つ小脇に抱え、推進力を補助している。製造するIHIによると「サイズはイプシロンの方が少し大きいが、構造はほぼ同じ」だ。

 コスト削減、その2。打ち上げ作業の省略化だ。M―5で42日だった機体の配置から打ち上げ後の片付けまでの所要日数が、新型機ではわずか1週間に収まる。人手に頼っていた点検を、イプシロンは内蔵する「人工知能」で片付けることができる。

 「ものづくり」という点では、ロケットに知能を持たせるという発想自体に劇的な技術革新がある。これまでの点検といえば、作業員が部品を組み立て、解体する人海戦術。多くは「大丈夫なものを再確認する」のが目的だった。

 イプシロンの場合、管制室のパソコン画面で「OK」の文字を確認するだけでいい。打ち上げ指令に必要なパソコンは2台。「新ロケットは新技術が必要だが、操作性の良さがイプシロンの『世界一』だ」とIHIエアロスペースの木内重基社長は話す。

 ほかにも様々な面でコスト圧縮の可能性を探った。川崎重工業が手掛ける衛星を覆う「フェアリング」は一体成型にし、ボルト数を大幅に削減。切り離し後に着水すると、水を含んで海底に沈む。組み立てと回収の作業が大幅に減った。

 実は、まだ先の話がある。今月打ち上げるイプシロンは構成素材である炭素繊維複合材に10年以上前に開発したものを使っているという。内蔵する発電機も1990年代後半の設計。宇宙では、実績のないものは「リスク」となる。

 これらを最新のタイプに切り替えるとどうなるか。例えば、複合材素材は単価で2分の1以下に落とせるという。IHIエアロの木内社長は「今回はまだ安全運転(が最優先)のロケット。リスクとのバランスは必要だが、工夫の余地は大いにある」と話す。

 「ロケット市場は飛躍の時にある」。商業打ち上げ世界最大手、欧州アリアンスペースのステファン・イズラエル最高経営責任者(CEO)の弁だ。日本の先を行く世界で宇宙への「宅配便」市場は急速に広がる。より安く、より使いやすく。日本の宇宙産業の挑戦が始まる。
                  by日経

by mimiyori-hansinn | 2013-09-19 16:44 | サイエンス/読書

「2020年には8Kテレビ普及へ」と新藤総務相 東京五輪開催に向けて

2020年夏季五輪の東京開催は日本人大きな喜びのメッセージをもたらした。私もそのころは後期高齢者になるが今から体調に気をつけTVで日本人アスリートの活躍をしっかりと見届けたいと思っている。この間デジタルTVに買い換えたとばかりと思っていたら世の中は8kの時代なるという。

 新藤義孝総務相は10日、閣議後の記者会見で、2020年夏季五輪の東京開催が決定したことについて、「極めて喜ばしいこと。7年後に大きな目標ができた」と、歓迎した。

 総務省は2014年にフルハイビジョン(HD)の約4倍の画素数の高精細テレビ「4K」、16年に同16倍の「8K」の試験放送をそれぞれ始める計画。

 総務相は「世界に通用する日本の技術力を知ってもらう」と強調。「前倒しして実用化を目指してきた8Kは20年には普及させる」と述べ、東京オリンピックに向けて日本の高精細テレビの技術力をアピールすべきとした。また、「通信基盤が重要」とし、東京オリンピック開催に向けた高速大容量通信網の整備が不可欠との考えを示した。

 「テレビ放送は、オリンピックとともに進化してきた」-。五輪の東京開催決定前の5日、NHKの松本正之会長は会見でこう述べて招致成功への期待を表明した。テレビのカラー中継が五輪では初めて行われ、「テレビ五輪」と呼ばれた前回。それから56年の時をへて行われる2020年の東京五輪は、大型・高精細テレビとインターネットとの連携が当たり前になり、視聴者が思いのままに五輪を楽しむ環境が整いそうだ。(本間英士)

 NHKの北出清五郎アナウンサーによる「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和」の名文句で知られる1964年の東京五輪開会式。NHKによると、この映像はカラー放送で国内各地に届けられると同時に、衛星中継で米国に伝送。五輪で衛星中継が利用されたのは初めてだった。映像はさらに米国からVTRテープが欧州やカナダに空輸され、21カ国で放送された。

 技術面では、スローモーションVTR、マラソンの全コース生中継、周囲の騒音が強い場所でも声を明確に集められる「接話マイク」などが、五輪史上初めて使用された大会だった。

 開会式の視聴率は、ビデオリサーチの調べによるとNHK総合だけで61・2%(関東地区)。NHKの調査では、他局の放送分を含めて視聴率は84・7%に達し、約6500万人が中継を見たことになる。

 東京五輪後は、1988年のソウル五輪でNHKが初のハイビジョン中継を行った。昨年のロンドン五輪では、ハイビジョンの16倍の画素数を持つ「スーパーハイビジョン」(8K)のパブリックビューイングが初めて行われている。

 さて、2020年の五輪中継はどうなるのか。

 総務省は2020年までに、多くの視聴者が4K・8K放送を楽しめるよう環境を整備するロードマップを策定している。NHKはテレビとネットとの連携を強めたハイブリッドキャストの本サービスを今月開始しており、今後の進化で、高精細化した画面には競技映像以外にも、選手の詳細なデータや、マラソンの競技コースと現在地の地図、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のメッセージなどが表示できる見通しだ。

 視聴できる競技数も大幅に増える。テレビの放送枠の制限で中継できない競技については、昨年のロンドン五輪でもネット中継でカバーされたが、2020年には放送とネット情報が1画面に融合。見逃した競技をオンデマンドで視聴したり、過去の名場面を呼び出すなど、視聴者が「見たい競技や場面を自由に見る」ことが実現される。

 次世代ハイビジョン放送の普及を目指す「次世代放送推進フォーラム」事務局の元橋圭哉さん(53)は、「これまでは『テレビはテレビ、ネットはネット』と分けられていたが、2020年の東京五輪をきっかけに両者が融合し、より深いテレビの楽しみ方ができるようになる」と7年後のメディアを予想している。


                byMSN

by mimiyori-hansinn | 2013-09-16 10:21 | サイエンス/読書

パソコン2台に数人の管制員 効率重視のロケット新時代

e0241325_6332013.jpg 日本の固体燃料ロケットの歴史は昭和30年、東大の糸川英夫博士が主導した「ペンシルロケット」の発射実験にさかのぼる。45年にはラムダロケットが人工衛星「おおすみ」を打ち上げ、日本は世界4番目の衛星打ち上げ国に。平成15年にはミュー(M)5ロケットが小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げるなど、大きな足跡を残してきた。

 固体燃料ロケットは液体燃料を使う主力機H2Aなどと比べて構造が単純で、低費用で製造できる。短期間で開発可能なため、新技術を導入しやすいのも利点だ。費用が割高だったM5は18年に廃止され、固体燃料ロケットの歩みはいったん途絶えたが、イプシロンの登場で伝統を守った。

 イプシロンの登場で日本の固体燃料ロケットは新時代を迎える。これまでは大型化で打ち上げ能力を高める「重厚長大」路線だったが、イプシロンは効率重視へと大きく転換。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の森田泰弘プロジェクトマネージャは「打ち上げを簡単にして宇宙を身近にする」と意義を強調する。

 ロケットを打ち上げる際の管制業務は、これまで大掛かりな設備と100人規模の要員が必要だったが、イプシロンはパソコン2台とわずか数人の管制員で可能になる。ロケットで世界初の人工知能「ROSE」(ローズ)を搭載し、打ち上げ前に機体を自動的に点検する革新的な機能も備えており、作業を大幅に省力化できるのが特徴だ。

 また将来の頻繁な打ち上げに対応できるように、機体を発射台に載せてから打ち上げ後の片付けまでの作業日数を、M5の42日から7日に短縮させる計画だ。

 イプシロンは打ち上げ後の自動点検も構想されている。飛行中に機体の状態や軌道を自ら把握し、異常が生じたら自爆する。レーダーによる追跡を段階的に廃止し、経費節減につなげる狙いがある。

 ただ、宇宙関係者の間には「間違えば地上に大きな被害を与える。打ち上げ後の安全まで自動化するにはシステムに絶対の信頼が必要」との慎重論も。安全性と信頼性を確保した上で、コストをどこまで絞り込めるかが勝負になる。
                    byMSN

by mimiyori-hansinn | 2013-09-15 06:33 | サイエンス/読書

三菱航空機、MRJの機体一部を初公開

e0241325_10295593.jpg 三菱重工業傘下の三菱航空機は7日、開発中の小型ジェット旅客機「MRJ」の機体の一部を初めて公開した。MRJは8月、3回目の開発スケジュール延期が発表されたばかり。同社は今後本格化する安全性試験や航空規制当局への認可手続きなどを円滑に進めるため、経験豊富な外国人技術者らを20人程度迎える方針だ。

 三菱航空機の川井昭陽社長は同日、MRJの部品を生産する三菱重工の飛島工場(愛知県飛島村)で日本経済新聞などの取材に応じ、「(2017年4~6月という)納入時期は絶対に守る」と強調した。公開したのはコックピットを含めた機首部や座席部分の中部胴体など4つの主要部品。試験機の完成は14年中になる見通し。

 MRJは先月下旬に3回目となる延期を発表し初飛行と引き渡しを1年以上も先送りした。08年3月に事業化を決定した際の当初計画と比べて3年以上も遅れた。世界中に散らばる部品メーカーに詳細な指示を迅速にできなかったことが響いた。

 MRJは現在、15年4~6月に初飛行を予定している。飛行データを分析したり、航空規制当局に大量の安全性データなどを提出する作業が必要になるが、親会社の三菱重工を含めて経験者がほとんどいない。

 川井社長は「(航空機の開発では)未経験なことが多いだけに、海外の技術者らに助けを借りたい」と語った。

 今後、海外のパイロットや技術者らとコンサルタント契約などを結んで迎え入れる。機体を制御する油圧機器や、空調機器など部門ごとに優秀な技術者をそろえ、開発を円滑に進める。

 同社は今年6月の米国に続いて、欧州でも部品管理拠点を近く設置する。現地の調達先から納入される部品などの不具合を早期に見つけ、生産の遅れを防ぐ。

 川井社長は現在の17年4~6月の納入時期について「具体的には言えないが、少しでも早く引き渡す」とも語った。最初の顧客である全日本空輸には16年度中にも納入したい考えだ。
             by日経

by mimiyori-hansinn | 2013-09-10 18:57 | サイエンス/読書
line

  中之島ばら公園     阪神のホットスポット・トレンド・話題 何でも知りたい・伝えたい・行きたい・行動したい・学びたい欲張りサイト


by mimiyori-hansinn
line
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30